★☆★=============================== 日本キャリア教育学会ニューズレター 第88号(2017.5.10発行) 発行:日本キャリア教育学会 情報委員会 https://jssce.jp/ ================================★★ □■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 【コラム】「研究する力」はウリになるか? 南山大学 浦上 昌則 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「先生なら何をウリにしますか?」 就活中の学生から、時々このような質問を受けます。大学に研究者として 籍を置く身ですので、「研究する力」としか答えようがありません(他に特 技もないし…)。とりあえず、研究に関してはプロでいられるよう努力して います(そのつもりです)し、それがあるからこそ雇われていると思ってい ます。 「それってウレます…?」 先のように答えると、大抵は怪訝な顔でこのように聞かれます。「買い手 次第じゃない」というのがいつもの答えですが…。 でもこの話には続きがあって、正直なところは「研究する力」は売れると 信じています。課題を見つけ、適切な方法を用いてその現象のメカニズムを 解明し、そこから妥当な結論(対応策)を導く。これが研究する力の基本だ と思っています。専門はどうであれ、これは研究する力に共通する要素でし ょうし、便利なことに、多様な場面に応用できます。この力を求めない雇用 主がいるでしょうか? たとえば教師にとっても、研究する力は不可欠でしょう。授業や指導を改 善していくために、研究する力はどうしても必要です。これがなければ、 「例年通り」とか「マニュアル通り」の指導、カンに頼った指導しかできな くなってしまいます。これでは教師としての成長は望めないでしょう。カウ ンセラーや他の職業にしても同じだと思います。その職での成長は、そこで の経験と研究する力によってうながされると思います。 だから私は、どんなに怪訝な表情を向けられても、学生に「研究する力が 大事」と言い続けようと思っています。もっとも、それくらいしかできない のですが…。 さて、今回のこの原稿は、研究推進委員会が学会webでの掲載を企画して いる、連載「研究をする」ともつながるものです。研究を行っていく上で役 立つ読み物を提供していきたいと考えています。5月下旬からスタートを予 定していますので,どうぞご覧ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━